再掲:InventorやFusionでSS400等の材料がない件
旧ブログからの転載です。
InventorにはSS400やS45C等のJIS規格の材料がありません。
同じAutodesk製なのでFusionも似たようなものだと思います。
なので、自分で下記のように材料データを作りました。



作っては見たものの、データの受け渡しをすると相手のデータベースに無い材料なので、めんどくさいことになりますから、おすすめはしません。
結論として、応力解析しないのであれば、代表的なものは下記のように設定すればいいでしょう。
SS400:軟鋼
S45C:炭素鋼
SUS304:ステンレス鋼
構造解析やNastranで解析する場合は、解析の設定で材料を下記のように変更してやればよいです。
SS400:ASTM A36
S45C:AISI 1045 HV HR
SUS304:AISI 304
最初からその材料でパーツを作成すれば、いちいち解析時に変更する必要は無いので、新規作成で材質を『一般』以外にする方法も載せておきます。
- パーツファイルの場合は下記のファイルを直接開きます。
- C:\Users\Public\Documents\Autodesk\Inventor <バージョン>\Templates\ja-JP\Standard.ipt
- 材質の『一般』になっているところを開き、一番下のライブラリを『Autodesk Material Library』に変更します。
- リストの中から『鋼 ASTM A36』を選択します。
- そのままだと外見が黒皮なので、外見の『プレート』になっているところを『半つや出し』に変更します。
- 他に変えておきたい項目があれば、『ツール』→『ドキュメントの設定』から変更可能です。
おすすめは、『アクティブな企画:ASME-mm → ISO』『質量:gram → kilogram』です。
以上を変更して保存しておけば、新規作成したときにその設定で始めることが出来ます。
アセンブリの場合は、『Standard.iam』シートメタルの場合は『Sheet Metal.ipt』を変更してください。
今回の例は、SS400を主に使う場合の設定ですので、ご自身の設計内容に応じて材質は適宜変更してください。
下記に対応表を載せておきます。
🧾 JIS材料 ⇔ 海外材(ASTM/AISI等) 対応表【構造解析用】
JIS材質(日本表記) | 相当海外材(ASTM / AISIなど) | 備考・用途 |
---|---|---|
SS400 | ASTM A36 | 一般構造用鋼材。最もよく使う代替材。 |
S45C | AISI/SAE 1045 | 中炭素鋼。シャフト、ピンなどに使用。 |
S25C | AISI/SAE 1025 | 低炭素鋼。軽負荷部品や溶接構造向け。 |
SUS304 | AISI 304 / ASTM A240, A276 | オーステナイト系ステンレス鋼。板ならA240、棒材ならA276。 |
SUS316 | AISI 316 / ASTM A240, A276 | 耐食性が高く海水・薬品用に使用。 |
A5052(アルミ) | ASTM B209 5052 | 高耐食・中強度アルミ合金。曲げ加工に強い。 |
A6061(アルミ) | ASTM B209 6061 / AISI 6061 | 熱処理硬化型アルミ合金。機械加工や構造部材向け。 |
MC901(キャストナイロン) | Cast Nylon 6 / Nylon 6G | 青色のMCナイロン。高耐摩耗・自己潤滑性。 |
ナイロン6(汎用樹脂) | Nylon 6 / PA6 | 射出・押出成形。MCナイロンよりやや劣る。 |
ナイロン6/6 複合材 | Nylon 6/6 Composite(GF入りなど) | ガラス繊維強化などの高剛性版。MC901代用に便利。 |
ポリアセタール(POM) | Acetal / Delrin / ASTM D4181 | 機械強度・滑り性の高い樹脂。ギアやスライド部向け。 |